未定義の動作

未定義の動作の一覧

未定義の動作にはどのようなものがあるのでしょうか。C言語の標準規格であるJIS X 3010：2003(ISO/IEC 9899：1999)の「附属書J 可搬性」を参考に未定義の動作を列挙してみましょう。

規格の制約以外の箇所で現れる「…(し)なければならない」または「…(し)てはならない」という要求をプログラムが守っていない場合。(前提事項4)
空でないソースファイルが、改行文字で終了していない場合。改行文字で終了している場合で、その直前に逆斜線文字がある場合。ソースファイルが、前処理字句の途中または注釈の途中で終了している場合。(5.1.1.2)
##演算子による字句連結の結果として生成される文字の並びが国際文字名の構文規則に一致する場合。(5.1.1.2)
ホスト環境のプログラムがmainという名前の関数を5.1.2.2.1で定められる4種類の方法のいずれかで定義しない場合。(5.1.2.2.1)
識別子、文字定数、文字列リテラル、ヘッダ名、注釈、または字句に変換されることのない前処理字句の中を除いて、ソースファイル中にソース基本文字集合にない文字がある場合。(5.2.1)
識別子,注釈,文字列リテラル,文字定数およびヘッダ名が、初期シフト状態で始まっていない場合、あるいは初期シフト状態で終わっていない場合。識別子、注釈、文字列リテラル、文字定数およびヘッダ名が、無効な多バイト文字を含む場合。(5.2.1.1)
翻訳単位の中で同じ識別子が内部結合と外部結合の両方で現れた場合。(6.2.2)
オブジェクトを生存期間の外部で参照した場合。(6.2.4)
生存期間が終了したオブジェクトを指すポインタの値が使われる場合。(6.2.4)
自動記憶域期間のオブジェクトの値が不定の時に使用された場合。(6.2.4, 6.7.8, 6.8)
文字型ではない左辺値式でトラップ表現を読み取る場合。(6.2.6.1)
文字型ではない左辺値式の副作用(その結果、オブジェクトの全てまたは一部が変更される)によって、トラップ表現が生成される場合。(6.2.6.1)
処理系が負の0をサポートしない場合、負の0を生成するオペランドを伴った&,|,^,~,<<,および >>演算の結果。(6.2.6.2)
同じオブジェクトまたは関数を参照する全ての宣言のなかで適合しない型を持つ宣言がある場合。(6.2.7)
実浮動小数点型から整数型への型変換で整数部の値が整数型で表現できない場合。また、整数型から実浮動小数点型への型変換で変換する値が新しい型で表現しうる値の範囲外にある場合。(6.3.1.4)
実浮動小数点型の値をより精度の低い型へ変換する際、変換する値が表現しうる値の範囲外にある場合。(6.3.1.5)
左辺値が評価された時にオブジェクトを指し示していない場合。(6.3.2.1)
不完全型をもち、配列型以外の型を持つ左辺値が、その左辺値が指し示すオブジェクトの値が要求される文脈で使用される場合。(6.3.2.1)
配列型を持つ左辺値が配列の先頭の要素へのポインタに型変換されるケースで、その配列オブジェクトがレジスタ記憶域クラスを持つ場合(レジスタ記憶域クラスのオブジェクトのアドレスは計算不可であるため)。(6.3.2.1)
ボイド式の値を使おうとする場合。また、ボイド式に暗黙の型変換または明示的な型変換(voidへの型変換を除く)を適用した場合。(6.3.2.2)
ポインタ型から整数型への型変換で、結果が整数型で表現できない場合。(6.3.2.3)
2つのポインタ間の型変換で、結果のポインタが被参照型に関して正しく境界調整されていない場合。(6.3.2.3)
ある型の関数へのポインタから別の型の関数へのポインタに型変換することが可能である。そのようなケースで型変換されたポインタを関数呼び出しに用い、関数の型がポインタが指すものの型と適合しない場合。(6.3.2.3)
前処理字句は、ヘッダ名、識別子、前処理数、文字定数、文字列リテラル、区切り子、および字句的に他の前処理字句の分類に一致しない単一の非空白類文字に分けられる。その中の最後の分類に文字「'」または文字「"」が入る場合。(6.4)
翻訳フェーズ(7)および(8)で予約されているキーワード(auto, enum, restrict, unsigned, break, extern, return, void, case, float, short, volatile, char, for, signed, while, const, goto, sizeof, _Bool, continue, if, static, _Complex, default, inline, struct, _Imaginary, do, int, switch, double, long, typedef, else, register, union)が、キーワードとしての目的ではなく、その他の目的で使用される場合。(6.4.1)
識別子の中のそれぞれの国際文字名が指定する文字のISO/IEC 10646での表現形式が附属書Dに示す範囲の一つに分類されるものでない場合。(6.4.2.1)
識別子の先頭の文字が数字を表す国際文字名である場合。(6.4.2.1)
2つの識別子が意味のない文字でだけ異なる場合。※処理系は、識別子において意味がある先頭の文字の個数を制限してもよいことになっている。(6.4.2.1)
__func__を使用して識別子を宣言する場合。※名前__func__は、どのような目的のためにも処理系によって予約されているため。(6.4.2.2)
プログラムが文字列リテラルを変更しようとした場合。(6.4.5)
ヘッダ名前処理字句において、文字'、\、"、//または/*が区切り記号<と>の間の文字列中に現れた場合。同様に、文字'、\、//または/*が2つの区切り記号"の間の文字列中に現れた場合。(6.4.7)
2つの副作用完了点の間で、式の評価によって1つのオブジェクトが2回以上変更された場合。あるいは、変更前の値の読取りが、格納される値を決定するため以外の目的で使用される場合。(6.5)
式の評価中に例外条件が発生した場合。すなわち、結果が数学的に定義できないかまたは結果の型で表現可能な値の範囲にない場合。(6.5)
オブジェクトに格納された値が、許されていない型を持つ左辺値によってアクセスされる場合。許されている型は次のもの。オブジェクトの有効型と適合する型。オブジェクトの有効型と適合する型の修飾版。オブジェクトの有効型に対応する符号付き型または符号無し型。オブジェクトの有効型の修飾版に対応する符号付き型または符号無し型。メンバの中に上に列挙した型の一つを含む集成体型または共用体型(再帰的に包含されている部分集成体または含まれる共用体のメンバを含む) 。文字型。(6.5)
関数呼び出しの結果、条件演算子の結果、代入演算子の結果、コンマ演算子の結果を変更しようとした場合。または次の副作用完了点の後にアクセスしようとした場合。(6.5.2.2, 6.5.15, 6.5.16, 6.5.17)
関数原型のない関数の呼び出しで、実引数の数が仮引数の数と等しくない場合。(6.5.2.2)
関数原型のない関数の呼び出しで、関数原型を含む型で関数が定義されていて、かつ関数原型が省略記号(, ...)で終わっている場合、または既定の実引数拡張後の実引数の型が、仮引数の型と適合しない場合。(6.5.2.2)
関数原型のない関数の呼び出しで、関数原型を含まない型で関数が定義されていて、かつ既定の実引数拡張後の実引数の型が、拡張後の仮引数の型と適合しない場合。ただし、次の場合は除く。(1)拡張された型の一方が符号付き整数型で、他方が対応する符号無し整数型であり、かつ値がいずれの型でも表現可能な場合。(2)いずれの型も文字型またはvoidの修飾版または非修飾版へのポインタである場合。(6.5.2.2)
呼び出される関数を表す式によって指される式の型が、関数が定義された型と適合しない場合。(6.5.2.2)
正しくない値がポインタに代入されている場合の単項*演算子の動作。正しくない値の例としては、空ポインタ、指されるオブジェクトの型に対して正しく境界調整されていないアドレス、生存期間が終了してしまっているオブジェクトのアドレスなどがある。(6.5.3.2)
ポインタが、整数型またはポインタ型以外に変換される場合。(6.5.4)
/演算子の第2オペランドの値が0の場合。%演算子の第2オペランドの値が0の場合。(6.5.5)
配列オブジェクトの要素を指すポインタと整数型を持つ式の加算あるいは減算の結果が、同じ配列オブジェクトの要素、または配列オブジェクトの最後の要素を1つ越えたところを指していない場合。(6.5.6)
配列オブジェクトの要素を指すポインタと整数型を持つ式の加算あるいは減算の結果が、同じ配列オブジェクトの最後の要素を1つ越えたところを指している場合で、その結果を評価される単項*演算子のオペランドとする場合。(6.5.6)
2つのポインタを減算する場合において、その両方のポインタが同じ配列オブジェクトの要素か、その配列オブジェクトの最後の要素を一つ越えたところを指していない場合。(6.5.6)
配列の添字が範囲外の場合。※配列が int a[4][5] と宣言されていて、左辺値の式に a[1][7] とあるような、指定された添え字でオブジェクトに明らかにアクセス可能と思われても未定義の動作となる。(6.5.6)
2つのポインタの減算の結果がptrdiff_t型のオブジェクトで表現できない場合。(6.5.6)
シフト演算子の右オペランドの値が負の場合。または右オペランドが整数拡張した左オペランドの幅以上の場合。(6.5.7)
符号付き拡張型を持つ式が左シフトされる時に、式の値が負またはシフトした結果が拡張された型で表現できない場合。(6.5.7)
同じ集成体または共用体(同じ配列オブジェクトの最後の要素を一つ越えたところも含む)を指していない2つのポインタを関係演算子で比較した場合。(6.5.8)
オブジェクトが、その一部が記憶域上で重なるオブジェクトに代入される場合。オブジェクトが、記憶域上で正確に重なっているが、適合しない型のオブジェクトに代入される場合。(6.5.16.1)
(1)整数定数式の型が整数型でない場合。(2)整数定数式のオペランドが次のもの以外である場合。整数定数、列挙定数、文字定数、その結果が整数定数であるsizeof式、(キャストの直接のオペランドである)浮動小数点定数。(3)整数定数式中のキャスト演算子が、sizeof演算子のオペランドの一部である場合を除いて、算術型を整数型に変換するものではない場合。
初期化子中の定数式の形、またはそれを評価した結果が、次のいずれでもない場合。算術定数式、空ポインタ定数、アドレス定数、オブジェクト型に対するアドレス定数 + 整数定数式、オブジェクト型に対するアドレス定数 - 整数定数式。(6.6)
(1)算術定数式が算術型をもたない場合。(2)算術定数式が次のいずれでもないオペランドを持つ場合。整数定数、浮動小数点定数、列挙定数、文字定数、sizeof式。(3)算術定数式中のキャスト演算子が、その結果が整数定数であるsizeof演算子のオペランドの一部である場合を除いて、算術型を算術型に変換するものではない場合。(6.6)
アドレス定数のオブジェクトの値が、次の演算子等によりアクセスされる場合。配列添字演算子[]、メンバアクセス演算子.および->、アドレス単項演算子&、間接単項演算子*、ポインタへのキャスト。(6.6)
オブジェクトの識別子が無結合で宣言されている場合において、オブジェクトの型が、その宣言子の終わりまでに、または初期化宣言子の終わりまで(その宣言子が初期化子を持つ時)に、完全になっていない場合。(関数原型の場合も含めて)関数の仮引数の場合、完全型でなければならないのは型調整された型。(6.7)
関数の識別子が、extern以外の明示的な記憶域クラス指定子をもって、ブロック有効範囲で宣言される場合。(6.7.1)
構造体あるいは共用体が名前付きのメンバを含まないで定義される場合。(6.7.2.1)
構造体のフレキシブル配列メンバが要素を提供していない時に、その配列メンバの要素にアクセスした場合、またはその要素を一つ越えたポインタを生成した場合。(6.7.2.1)
完全型が必要とされる時に、不完全型の構造体または共用体型が、同じスコープ内で内容を定義する別のタグの宣言がなされずに、完全ではない場合。(6.7.2.3)
const修飾型で定義されたオブジェクトを非const修飾型の左辺値を使って変更しようとした場合。(6.7.3)
volatile修飾型で定義されたオブジェクトを非volatile修飾型の左辺値を使って参照しようとした場合。(6.7.3)
関数型の指定が型修飾子を含む場合。※typedefの使用で起こりうる。(6.7.3)
適合することを要求される2つの修飾型が、双方が適合する型に同じ修飾を行ったものではない場合。(6.7.3)
変更されたオブジェクトが、restrict修飾された、const修飾型へのポインタを通してアクセスされる場合。変更されたオブジェクトが、restrict修飾されたポインタと、同じオブジェクトをベースとしない別のポインタを通してアクセスされる場合。(6.7.3.1)
リストリクト修飾されたポインタ(Pとする)に別のリストリクト修飾されたポインタ(P2とする)をベースとしたポインタ式を代入する場合において、P2に結び付けられたブロック(B2とする)の実行がPに結び付けられたブロックより前に始まらず、かつB2の実行がその代入よりも前に完了しない場合。(6.7.3.1)
外部結合を持つ関数がinline関数指定子で宣言されるが、その関数が同じ翻訳単位で定義されない場合。(6.7.4)
適合することが要求される2つのポインタ型が同一の修飾がなされていない場合。適合することが要求される2つのポインタ型が、適合する型へのポインタでない場合。(6.7.5.1)
配列宣言のサイズ式が定数式ではなく、プログラム実行時に0以下の値に評価される場合。(6.7.5.2)
適合する2つの配列型が要求される文脈で、両者の要素型が適合しない場合。または両者のサイズ指定子が等しくない値に評価される場合。(6.7.5.2)
配列パラメータの宣言が[と]の間にstaticキーワードを含む場合において、その関数の呼び出しの際に対応する実引数の値が、大きさを指定する式で指定される数以上の要素を持つ配列の先頭要素を指していない場合。(6.7.5.3)
記憶域クラス指定子または型修飾子が、関数のパラメータ型リストとしてキーワードvoidを修飾する場合。(6.7.5.3)
2つの関数の型が適合することを要求する文脈で、両者が適合する返却値の型を持たない場合。あるいは、両者の仮引数の使い方に、省略記号や数や型の点で不一致がある場合(既定の実引数拡張の後で、仮引数の型リストがない時か、あるいは識別子リストを持つ関数定義により一つの型が指定される時)。(6.7.5.3)
構造体あるいは共用体の名前のないメンバーの値が使用される場合。(6.7.8)
スカラオブジェクトに対する初期化子が、単一の式でも、波括弧で囲まれた単一の式でもない場合。(6.7.8)
自動記憶域期間を持つ構造体オブジェクトあるいは共用体オブジェクトの初期化子が初期化子並びでも、適合する構造体型あるいは共用体型の単一の式でもない場合。(6.7.8)
集成体型または共用体型を持つオブジェクトに対する初期化子が、要素または名前付きメンバに対する初期化子並びを波括弧で囲んだものでない場合。(文字列リテラルによって初期化された配列は除いて)(6.7.8)
外部結合で宣言した識別子を式(結果が整数定数であるsizeof演算子のオペランドである場合を除く)の中で使用している場合において、プログラム全体のどこかにある、その識別子に対する外部定義の存在が1つ以外である場合。また、使用していない場合において、外部定義が複数ある場合(外部結合で宣言した識別子を式の中で使用しない場合、その外部定義は必要ではない)。(6.9)
関数定義が識別子並びを含むが、その後ろに続く宣言並びで仮引数の型が宣言されない場合。(6.9.1)
関数定義で、仮引数が型調整された結果がオブジェクト型ではない場合。(6.9.1)
可変個数の実引数を受け付ける関数を、省略記号表記で終わる仮引数型並びを使わずに定義した場合。(6.9.1)
関数を終わらせる}に到達し、かつ関数呼び出しの値を呼び出し元が使う場合。(関数が値を返していないのに、関数呼び出しの値が使用されるので)(6.9.1)
内部結合を持つ不完全型のオブジェクトに対する識別子が仮定義で宣言される場合。(6.9.2)
字句definedが、#if前処理指令または#elif前処理指令の展開中に生成された場合。あるいはdefined単項演算子のマクロ置き換え前の使用法が「6.10.1 条件付き取込み」の制約の中で規定される形式に一致しない場合。
マクロ置き換え後の#include前処理指令が、2つのヘッダ名の形式(#include <文字列>, #include "q文字列")のどちらとも一致しない場合。※この場合、隣接した文字列リテラルが連結して一つの文字列リテラルになることはないので、展開の結果2つの文字列リテラルが現れると不正な指令行となる。(6.10.2)
#include前処理指令中の文字列が英字で始まらない場合。(6.10.2)
関数形式マクロの実引数の並びの中に、ほかの場合であれば前処理指令として働く前処理字句列がある場合。(6.10.3)
前処理演算子#の結果が正しい単純文字列リテラルでない場合。(6.10.3.2)
前処理演算子##の結果が正しい前処理字句でない場合。(6.10.3.3)
マクロ置き換え後の#line前処理指令が2つの形式(#line 数字列, #line 数字列 "文字列")のどちらとも一致しない場合。または数字列に0あるいは2147483647より大きい数が指定された場合。(6.10.4)
翻訳失敗あるいは未定義の動作の他の形態を引き起こすと文書化された、STDCではない#pragma前処理指令が検出される場合。(6.10.6)
#pragma STDC 前処理指令が規定の形式のいずれか1つに一致しない場合。(6.10.6)
あらかじめ定義されたマクロ名またはdefined識別子を#define前処理指令または#undef前処理指令の対象にした場合。(6.10.8)
例えばmemmoveのように特別に許されたもの以外のライブラリ関数を用いて、オブジェクトからそれと重なり合うオブジェクトへの複写を試みた場合。(箇条7)
処理系の一部として提供されるもの以外で、標準ヘッダの1つと同じ名前のファイルが、取り込まれるソースファイルが検索される標準の位置のいずれかに配置される場合。(7.1.2)
ヘッダが外部宣言あるいは外部定義の内側で取り込まれた場合。(7.1.2)
標準ヘッダが取り込まれる前に、そのヘッダが宣言または定義する関数、オブジェクト、型、マクロが参照される場合。(7.1.2)
標準ヘッダの取込みの前の時点で、定義されているキーワードと字句的に同一な名前のマクロをもっている場合。(7.1.2)
ライブラリ関数の宣言が外部結合をもたない場合。(7.1.2)
プログラムが、7.1.4 で許されたもの以外で、予約済みの識別子を宣言または定義する場合。(7.1.3)
プログラムが次の識別子のマクロ定義を#undef により無効にする場合。(1)2つの下線で始まる識別子のマクロ定義。(2)下線に続き大文字1字で始まる識別子のマクロ定義。(7.1.3)
ライブラリ関数への実引数が正しくない値の場合。正しくない値の例としては、関数の定義域外の値、プログラムのアドレス空間外を指すポインタ、空ポインタ、対応する仮引数がconst修飾されていない場合に変更不可な記憶域を指すポインタなどがある。可変個数の実引数を持つ関数が期待しない型(既定の実引数拡張の後)を持つ場合も未定義の動作。(7.1.4)
ライブラリ関数の配列パラメータに渡されたポインタが、全てのアドレス計算およびオブジェクトへのアクセスが実際に有効となる値を持たない場合。(7.1.4)
実際の関数にアクセスするためにassertマクロ定義を無効にした場合。(7.2)
assertマクロへの実引数がスカラ型をもたない場合。(7.2)
CX_LIMITED_RANGEプラグマ、FENV_ACCESSプラグマ、FP_CONTRACTプラグマが、全ての外部宣言の外側以外、あるいは複合文の内側で、全ての明示的な宣言および文の前以外で使用された場合。(7.3.4, 7.6.1, 7.12.2)
文字を扱う関数への実引数の値が、マクロEOFの値に等しくもなくunsigned charで表現可能でもない場合。(7.4)
実際のオブジェクトにアクセスするためにerrnoマクロ定義が無効にされた場合。プログラムが名前がerrnoの識別子を定義する場合。(7.5)
FENV_ACCESSプラグマに対する状態がオフで翻訳されたプログラムの一部が、浮動小数点状態フラグを判定する場合、または浮動小数点制御モードを設定する場合、または既定状態以外のモード設定下で動作する場合。(7.6.1)
浮動小数点状態フラグへのアクセスを提供する関数群に渡される例外マスクの実引数が、浮動小数点例外マクロのビット単位の論理和(例えば、FE_OVERFLOW | FE_INEXACTのような)ではない非ゼロの値を持つ場合。(7.6.2)
fexcept_tオブジェクトを取得する際のfegetexceptflag関数の呼び出しで指定されていなかった浮動小数点状態フラグを設定するためにfesetexceptflag関数が使われる場合。(7.6.2.4)
fesetenv関数またはfeupdateenv関数の実引数が、fegetenv関数またはfeholdexcept関数の呼び出しによって設定されたオブジェクトを指していないか、浮動小数点環境マクロに等しくない場合。(7.6.4.3, 7.6.4.4)
整数算術関数または変換関数の結果の値が表現不可能である場合。(7.8.2.1, 7.8.2.2, 7.8.2.3, 7.8.2.4, 7.20.6.1, 7.20.6.2, 7.20.1)
プログラムが、setlocale関数により返されたポインタが指す文字列を変更する場合。(7.11.1.1)
プログラムが、localeconv関数によって返されたポインタが指す構造体を変更する場合。(7.11.2.1)
math_errhandlingのマクロ定義が無効にされる場合。またはプログラムがmath_errhandlingという名前の識別子を定義する場合。(7.12)
浮動小数点分類用マクロまたは比較マクロへの実引数が実浮動小数点型ではない場合。(7.12.3, 7.12.14)
実際の関数へアクセスするためにsetjmpマクロ定義を無効にした場合、またはプログラムでsetjmpという名前の外部識別子を定義した場合。(7.13)
setjmpマクロの呼び出しが、次の文脈以外に現れる場合。(1)選択文または繰返し文の制御式全体、(2)他方のオペランドが整数定数式である関係演算子または等価演算子の一方のオペランド(この場合、関係演算子または等価演算子による式は、選択文または繰返し文の制御式全体でなければならない)、(3)単項!演算子のオペランド(この場合単項!演算子による式は、選択文または繰返し文の制御式全体でなければならない)、(4)式文の式全体(voidにキャストされていてもよい)。(7.13.1.1)
longjmp関数が存在しない環境を復元するために呼び出された場合。(7.13.2.1)
longjmpに対応するsetjmpマクロの呼び出しを含む関数中のvolatile修飾型ではない自動記憶域期間を持つオブジェクトの値が、setjmp呼び出しとlongjmp呼び出しの間に変更され、longjmp後にアクセスされる場合。(7.13.2.1)
プログラムがシグナル処理ルーチン関数へ不正なポインタを渡す場合。(7.14.1.1)
シグナル処理ルーチンが計算例外に対応するシグナルでリターンする場合。(7.14.1.1)
abort関数またはraise関数の呼び出しの結果としてシグナルが発生し、シグナル処理ルーチンがraise関数を呼び出す場合。(7.14.1.1)
abort関数またはraise関数の呼び出しの結果以外でシグナルが発生し、シグナル処理ルーチンが静的記憶域期間を持つオブジェクトを参照する場合。ただしvolatile sig_atomic_tとして宣言されたオブジェクトに値を代入する場合を除く。また、abort関数またはraise関数の呼び出しの結果以外でシグナルが発生し、シグナル処理ルーチンが標準ライブラリの関数を呼び出す場合。ただし、abort関数、_Exit関数、またはシグナル処理ルーチンの呼び出しを発生させたシグナルに対応するシグナル番号を第1実引数としてsignal関数自身を呼び出す場合を除く。(7.14.1.1)
abort関数またはraise関数の呼び出しの結果以外でのシグナルが発生した後で、対応するシグナル処理ルーチンがsignal関数の呼び出し、その返却値がSIG_ERRであったケースで、errnoの値が参照される場合。(7.14.1.1)
非同期のシグナル処理ルーチンによってシグナルが生成された場合。(7.14.1.1)
実引数の数が可変である関数が、正しく宣言、初期化されたva_listオブジェクトを使わずに、またはva_startマクロが呼び出される前に、可変個数の実引数にアクセスする場合。(7.15, 7.15.1.1, 7.15.1.4)
型va_listを持つオブジェクトapを他の関数への実引数として渡し、その関数が仮引数apを用いてva_argマクロを呼び出した場合、呼び出し側関数でのapの値は不定となる。このケースにおいて、呼び出し側関数でapオブジェクトを使用してマクロva_argを呼び出す場合。(7.15)
va_start、va_arg、va_copy、va_endのマクロ定義を実際の関数にアクセスするために無効にする場合。または、プログラムがva_copy、va_endと同じ名前の外部識別子を宣言する場合。(7.15.1)
同じ関数内で、対応するva_endマクロの呼び出しなしで、va_startあるいはva_copyマクロが呼び出される場合。逆もまた同様。(7.15.1, 7.15.1.2, 7.15.1.3, 7.15.1.4)
va_argマクロへの第2引数「型」が、その型のオブジェクトへのポインタの型が、型の後ろに単に*を置くことによって得られる型名ではない場合。(7.15.1.1)
次の実引数が実際にはない時、または型が実際の(既定の実引数拡張に従って拡張された)次の実引数の型と適合しない時にva_argマクロが呼び出される場合。ただし、次の2つの場合を除く。(1)一方の型が符号付き整数型で、もう一方の型が対応する符号無し整数型であり、そしてその値が両方の型で表現可能な値である場合。(2)一方の型がvoid型へのポインタであり、もう一方の型が文字型へのポインタである場合。(7.15.1.1)
以前に初期化されたva_listを、va_endマクロを呼び出すことなく、再初期化のためにva_copyまたはva_startマクロを呼び出す場合。(7.15.1.2, 7.15.1.4)
va_startマクロの第2引数である「最終仮引数」が次のもので宣言される場合。(1)register記憶域クラス、(2)関数型、(3)配列型、(4)既定の実引数拡張を適用した結果の型と適合しない型。(7.15.1.4)
offsetofマクロの第2引数「メンバ指示子」が、第1引数「型」に対する.演算子の不正な右オペランドの場合。また、「メンバ指示子」がビットフィールドの場合。(7.17)
整数定数のマクロの呼び出しにおける実引数が、対応する型の限界値を超える場合。また、実引数が、10進定数、8進定数、16進定数ではない場合。(7.18.4)
バイト入出力関数がワイド文字単位のストリームに適用される場合。ワイド文字入出力関数がバイト単位のストリームに適用される場合。(7.19.2)
ワイド文字単位のストリームに書かれた直近のワイド文字を超えたファイルの部分が使用される場合。(7.19.2)
FILEオブジェクトへのポインタの値が、結び付けられたファイル(標準テキストストリームを含む)が閉じられた後で、使用される場合(7.19.3)
fflush関数に対するストリームが、出力ストリームでも、直前の操作が入力でない更新ストリームでもないものを指す場合。(7.19.5.2)
fopen関数の呼び出しで第2引数modeによって指される文字列が、指定された文字シーケンスのいずれにも該当しない場合。(7.19.5.3)
更新モードでオープンされたファイルに結び付けられたストリームに対し、出力の後に入力を行うケースで、出力と入力の間にfflush関数またはファイル位置付け関数(fseek、fsetpos、rewind)を呼び出さない場合(ただし入力操作がファイルの終わりに達した場合を除く)。また、入力の後に出力を行うケースで、2つの操作の間にファイル位置付け関数を呼び出さない場合。(7.19.5.3)
setvbuf関数の呼び出しで使用されるバッファ用配列の内容が使われる場合。(7.19.5.6)
書式付き入出力関数呼び出し時に、書式に対して実引数が不足している場合。または、変換指定が無効な場合。または、実引数の型が対応する変換指定に対して正しくない場合。(7.19.6.1, 7.19.6.2, 7.24.2.1, 7.24.2.2)
書式付き入出力関数、またはstrftime関数、wcsftime関数呼び出し時の書式が、初期シフト状態で始まり初期シフト状態で終わる、有効な多バイト文字の並びではない場合。(7.19.6.1, 7.19.6.2, 7.23.3.5, 7.24.2.1, 7.24.2.2, 7.24.5.1)
書式付き出力関数の呼び出しで、精度を定められたもの以外の変換指定子に対して指定した場合。(7.19.6.1, 7.24.2.1)
書式付き出力関数の変換指定で、フィールド幅または精度を表すためにアステリスクを使用するケースにおいて、対応する実引数が与えられない場合。(7.19.6.1, 7.24.2.1)
書式付き出力関数の変換指定で、定められたもの以外の変換指定子を伴って#または0フラグが使用される場合。(7.19.6.1, 7.24.2.1)
書式付き入出力関数で、長さ修飾子を定められたもの以外の変換指定子とともに指定した場合。(7.19.6.1, 7.19.6.2, 7.24.2.1, 7.24.2.2)
書式付き出力関数で、s変換指定子を使用する際に、対応する実引数の配列がナル文字を含まない場合。ただし、精度が指定され、それが配列の大きさ以下の場合は除く。(7.19.6.1, 7.24.2.1)
書式付き入出力関数で、n変換指定が、いずれかのフラグ、フィールド幅または精度を含む場合。(7.19.6.1, 7.19.6.2, 7.24.2.1, 7.24.2.2)
書式付き入出力関数で、%変換指定の全体が%%ではない場合。(7.19.6.1, 7.19.6.2, 7.24.2.1, 7.24.2.2)
書式付き入出力関数、strftime関数、wcsftime関数の書式で不正な変換指定が見つかった場合。(7.19.6.1, 7.19.6.2, 7.23.3.5, 7.24.2.1, 7.24.2.2, 7.24.5.1)
書式付き出力関数によって出力された文字数がINT_MAXよりも大きい場合。(7.19.6.1, 7.19.6.3, 7.19.6.8, 7.19.6.10)
書式付き入力関数の変換の結果が、対応するオブジェクトで表現できない場合。または、適切ではない型のオブジェクトを受け取った場合。(7.19.6.2, 7.24.2.2)
c, s, [変換指定子が、書式付き入力関数にあり、対応する実引数によって指された配列が入力(もし変換指定子がsか[ならナル終端文字も)を受け付けるのに充分に大きくない場合。(7.19.6.2, 7.24.2.2)
l修飾子を伴うc, s, [変換指定子が、書式付き入力関数に存在するにもかかわらず、入力が初期シフト状態で始まる有効な多バイト文字の並びではない場合。(7.19.6.2, 7.24.2.2)
書式付き入力関数の%p変換に対する入力項目が同一プログラムの実行で以前に変換された値であるケースにおいて、結果のポインタ値がその変換前の値と一致しない場合。(7.19.6.2, 7.24.2.2)
vfprintf、vfscanf、vprintf、vscanf、vsnprintf、vsprintf、vsscanf、vfwprintf、vfwscanf、vswprintf、vswscanf、vwprintf、vwscanfの各関数が、不適切に初期化されたva_list実引数と共に呼び出される場合。また、各関数がリターンした後にva_endの呼び出し以外で実引数が使用される場合。(7.19.6.8, 7.19.6.9, 7.19.6.10, 7.19.6.11, 7.19.6.12, 7.19.6.13, 7.19.6.14, 7.24.2.5, 7.24.2.6, 7.24.2.7, 7.24.2.8, 7.24.2.9, 7.24.2.10)
fgets, gets, fgetwsの各関数の呼び出しにより与えられた配列の内容が、読み出しエラー発生の後で使用される場合。(7.19.7.2, 7.19.7.7, 7.24.3.2)
バイナリストリームのファイル位置表示子の値が0の時にungetc関数の呼び出され、その後、そのファイル位置表示子が使用される場合。(7.19.7.11)
fread関数またはfwrite関数の呼び出し中にエラーが発生し、その後でバイナリストリームのファイル位置表示子が使用される場合。(7.19.8.1, 7.19.8.2)
fread関数の呼び出しによって一つの要素の一部だけが読み取られ、その値が使用される場合。(7.19.8.1)
テキストストリームに対し、第2引数offsetが非ゼロの値でかつ同じファイルに結び付けられたストリームに対する以前の成功したftell関数の呼び出しで返された値ではない値でfseek関数が呼び出される場合。また、同じファイルに結び付けられたストリームに対する以前の成功したftell関数の呼び出しで返された値であっても、第3引数whenceがSEEK_SETではない場合。(7.19.9.2)
fgetpos関数の第2引数posが指すオブジェクトの値が、同じファイルに結び付いたストリームに対するそれ以前の成功したfgetpos関数の呼び出しから得られた値ではない場合。(7.19.9.3)
0を要求サイズとしたcalloc関数、malloc関数、realloc関数の呼び出しによって得られた非ナルのポインタが使用される場合。(7.20.3)
free関数またはrealloc関数の呼び出しによって解放された領域を参照するポインタの値が使用される場合。(7.20.3)
free関数またはrealloc関数へのポインタ実引数が、以前にcalloc関数、malloc関数、realloc関数によって返されたポインタと一致しない場合。または、free関数またはrealloc関数へのポインタ実引数が、free関数やrealloc関数の呼び出しによって解放された領域を指している場合。(7.20.3.2, 7.20.3.4)
malloc関数により割り付けられたオブジェクトの値が使用される場合(malloc関数が割り付けるオブジェクトの値は不定のため)。(7.20.3.3)
realloc関数によって割り付けられた新しいオブジェクトの、古いオブジェクトの大きさを超えた部分が使用される場合。(7.20.3.4)
プログラムが2回以上exit関数を呼び出す場合。(7.20.4.3)
atexit関数で登録された関数の呼び出し中に、登録関数の呼び出しを終了させるlongjmp関数呼び出しがある場合。(7.20.4.3)
getenv関数またはstrerror関数によって得られたポインタが指す文字列をプログラムが変更する場合。(7.20.4.5, 7.21.6.2)
終了や未定義の動作を引き起こすと、処理系により文書化されている方法で、system関数によりコマンドが実行される場合。(7.20.4.6)
探索および整列ユーティリティ関数が、たとえ要素数が0であっても、正しくないポインタ実引数で呼び出される場合。(7.20.5)
探索および整列ユーティリティ関数によって呼び出された比較関数が、探索や整列対象の配列の内容を変更する場合。または、比較関数が一貫性のない結果を返す場合。(7.20.5)
bsearch関数によって探索される配列の要素が正しい順序となっていない場合。(7.20.5.1)
LC_CTYPEカテゴリの変更後に、現在の変換状態が多バイト文字・ワイド文字変換関数によって使用される場合。(7.20.7)
文字列またはワイド文字列ユーティリティ関数の配列へのアクセスがオブジェクトの終端を越える場合。(7.21.1, 7.24.4)
文字列またはワイド文字列ユーティリティ関数が、たとえ配列の長さが0と指定されていても、正しくないポインタ実引数で呼び出される場合。(7.21.1, 7.24.4)
指定された長さがナル終端文字を含めた結果全体を保持するのに小さすぎる状態で、strxfrm関数、strftime関数、wcsxfrm関数、wcsftime関数が呼び出され、その後コピー先の配列の内容が使用される場合。(7.21.4.5, 7.23.3.5, 7.24.4.4.4, 7.24.5.1)
strtok関数、wcstok関数の一連の呼び出しの最初の呼び出しで第1実引数として空ポインタが指定された場合。(7.21.5.8, 7.24.4.5.7)
型総称マクロへの実引数の型が選択された関数の対応する仮引数の型と適合しない場合。(7.22)
対応する複素数関数を持たない型総称マクロの総称仮引数に複素数の実引数が与えられる場合。(7.22)
fwprintf関数の呼び出しで、l修飾子のないs指定子に対応する実引数が、初期シフト状態で始まる有効な多バイト文字列を指さない場合。(7.24.2.1)
wcstok関数に対する一連の呼び出しの中の2回目以降の呼び出しで、第3引数ptrが指すオブジェクトが一連の呼び出しの中の直前の呼び出しで格納された値ではない場合。(7.24.4.5.7)
mbstate_tオブジェクトが適切に使用されない場合。(7.24.6)
ワイド文字種分類およびワイド文字大文字小文字変換ユーティリティへのwint_t型の実引数の値が、型wchar_tで表現不可能でかつマクロWEOFの値とも等しくない場合。(7.25.1)
iswctype関数が、その第2引数descの値を返したwctype関数が呼び出された時と異なるLC_CTYPEカテゴリで、呼び出される場合。(7.25.2.2.1)
towctrans関数が、その第2引数descの値を返したwctrans関数が呼び出された時と異なるLC_CTYPEカテゴリで、呼び出される場合。(7.25.3.2.1)

未定義の動作

未定義の動作とは

未定義の動作の一覧